logo02

未来について話そう

THE FUTURE TIMES 特別号


TFT-special2017.jpg
『THE FUTURE TIMES』の特別号が完成しました。

 最初の号を発行してから6年。「継続は力なり」という言葉が逆説的に表すように、仲間たちと制作している『THE FUTURE TIMES』も、5年目を過ぎてから、「続けることの難しさ」に直面していました。

 それは、モチベーションの問題ではなく、生活や本業など、時間的な制約の問題でした。この新聞は編集メンバーが無償で労力や時間を持ち寄って、「行動を社会に寄付する」ことを目指して、制作してきたフリーペーパーです。

 改めて、持続可能な発行のペースや方法について、再考しなければならないタイミングなのだと僕は考えていました。



 そんななか、『THE FUTURE TIMES』の記事に登場していただいた建築家の竹内昌義さん「暮らし方冒険家」の伊藤菜衣子さんからのお誘いで、日本全国のユニークな活動をしているひとたちを紹介する展示会に、キュレーターのひとりとして参加することになりました。

 展示会の名前は「NIPPONの47人 2017 これからの暮らし方 -OFF-Grid Life」展です。

 住まい、食べもの、エネルギー、働き方、流通、街づくりなどに関わる人たちを紹介する展示会で、渋谷のヒカリエにある『d47 MUSEUM』で10月9日まで行われます。

 その展示会にて、8月25日から『THE FUTURE TIMES』の特別号を配布します。

『THE FUTURE TIMES』の配布の有無に関わらず、「これからの暮らし方」展はとてもユニークな展示会です。47人の活動(『THE FUTURE TIMES』も出展しているので、本当は46人)は、僕たちの暮らしに違った角度からの目線を与えてくれます。

 例えば、僕自身、いくら面白いと思っても、明日からエネルギーを自給するエコハウスには住めません。けれども、そういった暮らし方や方法があるのだということを知るだけで、どこか自分の暮らしまで変わったように感じます。それは、もしかしたら僕もいつか同じようにできるかもしれない、という選択肢が自分の生活に加わるからだと思います。

OGL2.jpg 47人がそれぞれ楽しそうに活動しているところも魅力的です。啓蒙、みたいな雰囲気とは真逆の、好きでやっていることがいつの間にかスタンダードになってしまうような、そんな予感を孕んだ活動ばかりです。

 ユニークな展示会への参加は、初心に立ち返る機会となりました。

 『THE FUTURE TIMES』が掲げているコンセプトのひとつは、「街に出る」ということです。身体のあるメディアに収められた情報を、自分の身体を使って手に入れる。それはネット時代の便利さとは真逆のもの。しかし、不便だけれど、鈍い身体を実際に動かすことで生まれる体験としての強度がある。そんなふうに僕らは考えて、『THE FUTURE TIMES』を紙の新聞として配布しています。

 渋谷の町まで出られる方ばかりではないと思いますがが、お近くの方は是非、会場で手に取ってください。

 とはいえ、インターネットの便利さも存分に使いたいと考えています。web版は展覧会が終わる頃にアップしますので、会場に行きたくても行けない方はそちらでお読みください。よろしくお願いします。

 僕たち『THE FUTURE TIMES』も、真剣に悩みながらも楽しく、豊かな紙面を、これからも作って行きます。

THE FUTURE TIMES編集長
後藤正文
2017年08月24日