more treesと岩手県の住田町が行う被災地支援『LIFE311』が、地元の木を使った木造の仮設住宅を展示するということで、六本木ヒルズの特設会場を見学してきました。
住田町では震災前から、木造の仮設住宅の図面の用意を進めていたそうです。それは今回の震災を予想してのものではなく、日本中のどこかで、いざというときにこのような仮設住宅が必要になるのではないかと。その場合、簡単に組み上げたり分解でき、かつ、ストックしておけることが出来たら良いのではないか、と。
その図面をもとに改良したのが、写真の仮設住宅です。4畳半×2部屋と、キッチン、浴室、という間取り。あくまでも仮の住居ということが目的ですが、木の良い香りがして、想像以上にしっかりとした構造でした。エアコンや冷蔵庫、洗濯機も設置可能。東京の狭いアパートに比べたら、お風呂が広いようにも思いました。私が学生時代に住んでいたアパートより広いくらいです。
The Future Timesでは、詳しく取材しようと計画中です。林業の話、雇用の話、エネルギーの話、仮設住宅の話、震災の話、いろいろな話題や問題がマーブル模様に混ざり合った記事が作れるのではないかと思います。
“未来ついて話そう”というテーマでいろいろなひとに会いに行くと、実はみなさん、過去のことも話してくれます。漠然と未来が描けたりはしないのだということも、最近は感じています。過去のこと、現在を積み重ねること、それが結果的に未来を作りあげるのではないかと、そういう視点にアップデートされます。やはり、僕自身が、この新聞を作ることによって、いろいろなことを考えているのだということを実感します。視野を広げるために作っているのだということ。
仮設住宅の壁に掛けられていた1枚の写真。陸前高田市を空から撮影した写真です。
最近では、被災地の模様が頻繁に取り上げられるようなことはなくなりましたが、現地では、市内から集められた瓦礫が、複数の場所に積み上げられたままなのだそうです。そして、撤去に17億円ほどかかると言われている半壊した建物が、ほぼそのままの形で残っているとのこと。民間の力だけではどうにもならないことは、目に見えているのではないでしょうか。
こういう現実にも目を背けずに、むしろ注視して、刮目して、未来のことを考えて行きたいです。原発やエネルギーの問題ばかりを気にかけて、こういう場所が日本にはまだあることを忘れないでいたいです。