左から、後藤正文、安田菜津紀、佐藤慧、渋谷敦志、木村紀夫
2014年4月29日より5月11日まで、タワーレコード渋谷店で“『THE FUTURE TIMES』Gallery & Live 2014”と銘打たれたイベントを開催。期間中、8階フロアでは東日本大震災以降の被災地の姿を見つめ続けてきたフォトジャーナリストの渋谷敦志、佐藤慧、安田菜津紀の写真展を実施。5月11日には13時30分と18時から、編集長の後藤正文と渋谷、佐藤、安田の4人に、特別ゲストを迎え、Live&Talkイベントも行われた。“3年後の現在地”について語り合う、トークショーの模様をリポート――
5月11日13:30~ 昼の部TALK
後藤正文(以下、後藤)「 “3年後の現在地”というテーマで、『THE FUTURE TIMES』の6号を発行しまして、それに合わせて写真展とトークショーを企画しました。短い時間ではありますけど、皆さんと一緒に、東日本大震災から3年が経って、今日までどうだったのか、これからどうしていこうか、そういったことを考える場所になればいいかなと思っています。さっそくパネリストの皆さんをお呼びしたいと思います。フォトジャーナリストの渋谷さん、佐藤さん、安田さん。それから、6号の記事(『三年後の捜索活動〜福島県双葉郡大熊町〜娘が生きた証をつかむ。』)に登場していただきました木村さんです。フォトジャーナリストの御三方と『THE FUTURE TIMES』は、かなり古い付き合いになりますね」
佐藤慧(以下、佐藤)「そうですね。2012年の時も、後藤さんと、この3人でGallery & Liveというイベントをやらせていただいて」
後藤「そうですね。あの時は震災から1年が経ち、どのような状況かってことを知ってもらうためのイベントでしたね。今回は、その流れからのイベントで。 では改めて自己紹介をしていただいて、よろしいですか?」
安田菜津紀(以下、安田)「はい。みなさんこんにちは。フォトジャーナリストの安田菜津紀です。普段は、東南アジア、アフリカ、中東方面などで取材をしているんですが、東日本大震災以降は岩手県の陸前高田市を中心に、写真で記録を続けています。よろしくお願いします」
佐藤「同じくフォトジャーナリストの佐藤慧と申します。普段はアフリカなどで活動しているんですけど、東日本大震災で両親が住んでいた陸前高田市が被災し、緊急帰国しました。そこから取材をずっと続けています。よろしくお願いします」
渋谷敦志(以下、渋谷)「同じく写真家の渋谷と申します。僕ら3人が、ここに集まったのは、話せば長いんですが、『ファインダー越しの3.11』という本を共著で出しています。この本の表紙は僕が撮った写真なんですが、陸前高田市で撮った佐藤慧くんの姿で。彼の両親が震災で行方不明になって、佐藤が緊急帰国し、彼の母親を探している姿を撮った写真なんです。その後に、安田も駆けつけ、3人で取材活動した記録を本にまとめました。そういう繋がりで本を出し、後藤さんに出会い、関わらせていただき、今日に至ります。今日はよろしくお願いします」
後藤「そして、今日のゲストの木村紀夫さんです。木村さんと、渋谷さんが会ったのは、南相馬の花火大会ですよね?」
渋谷「そうですね。南相馬で、僕は上野敬幸さんという方に出会い、上野さんから紹介していただいたのが木村さんでした。木村さんは、福島県の原発から3kmほど離れた大熊町の出身です。震災で、父親、妻、そして次女を亡くされ、現在、長野県の白馬村で新しい生活を始められています」
木村紀夫(以下、木村)「よろしくお願いします」