田村市出身、埼玉県在住・20代女性(小学校教諭)

 原発事故の後、両親が私の住んでる埼玉に避難してきてくれたんです。でも、叔父さんに電話で怒られて…。実家は代々続いている『地元のなんでも屋さん』なんです。お米や魚、ガソリン、お酒も売っています。叔父から 「地元の人達をお客様として生活してきたんだから、逃げてどうするんだ」と言われてしまって…。田舎はそういう柵があるんです。関東の人達は 「なんだよ、逃げればいいじゃん」 って言うんですけど、地域との繋がりが、良い意味でも悪い意味でも凄くあるので、逃げたくても逃げられない人は多かったです。

 私の友達の家族も地元で同じようにお店をやっているんですけど、何日か避難している間に放火されてしまって…。放火されたのに 「逃げたから悪いんだ」 と非難されるんですよ。おかしいですよね。そういうこともあって、両親はすぐに帰ってしまいました。

 福島に住んでる友達と話す時は、どんな人と会ったとしても原発の話をしてます。本当にムカついています。福島の友人達も怒っています。でも怒っているけど、何もできないというか…。埼玉ではまわりの人と原発の話をしたいと思っても、興味を示してくれません。必要性というか危機感を持ってないので、こういう想いや話を聞いてくれないんです。結局、福島県の人達だけが抱えて、向き合っていかなければいけない問題なのかなって思う時もあります。でも、ツイッターとかを見ていると真剣に考えてくださっている方がたくさんいて、本当にありがたいなと思います。